地方の小さな街に建つ図書館と高齢者デイサービスの複合施設である。 敷地は生活道路に面しており周辺環境も雑多なため、外周部の窓は必要最小限に抑えた。断熱性能の向上とともに、用途として必要される静穏さが確保された。一方2階の図書館部分は、建物中心部の中庭に対してフレームレスの真空三重ガラスを用いて全面的に開いた。 正方形に切り取られた空は刻一刻と変化する。光が移ろい、雲が流れ、雨が降りてくる。地球の自転により引き起こされた様々な変化が中庭に舞い込み、閲覧室の静穏さの中に時間軸を形成している。 深い庇と黒色の回廊空間がつくり出す鏡面効果により、光の変化はさらに増幅され、切り取られた空が9つに見える時もある。 平面と立面の要素はすべて正方形で構成されている。 正方形の中庭を巡る回廊、それを囲むように展開する閲覧室。それらは曼荼羅のような整然とした入れ子状の平面構成である。 書棚もすべて正方形で構成されており、4個分もしくは9個分のモジュールが、そのまま外周部の窓と接続している。各閲覧室からは普通の窓配置にしか感じられないが、外からは大小の窓がランダムに並んでいるファサードに見える。 また「ゼロカーボン」の達成に意欲的に取り組んだ。高い断熱性、太陽光と風力による発電、地中熱の利用などにより中国で初となる「設計段階でのゼロカーボン図書館」の認証を得ることができ、すでに1年間の実証期間を始めている。 また取り壊した建物の瓦を外構に再利用しており、土地の記憶の継承も行なっている。
| 用途 | 図書館+デイサービス |
| 設計内容 | 建築,内装設計 |
| 所在地 | 中国甘粛省天水市 |
| 実施段階 | 竣工 |
| 設計期間 | |
| 竣工日時 | 2023 |
| 延床面積 | 772㎡ |