「アウェイクニング」は2003年に設立されて以来、一貫して「環境保護」を理念として掲げてきたファッションブランドである。
この創業者にとっては、このファッション事業の展開と、環境保護の啓発活動は一体のものであるという。
今日、環境保護とは我々の未来を築くためのゆるぎない手段となった。
それを支える科学技術の発展は、私たちを包み込む空間をどのように変化させて行くのだろうか。
SF映画の中で描かれる未来の空間は、流線的であり、シンプルであり、床壁天井の区分が曖昧である。
しかしよく考えてみれば、それは洞窟のような空間である。洞窟は人類が最初に獲得した空間である。
とことん過去に遡るとそれは未来へと通じているのかもしれない。
店内は2つの材料だけで出来ている。床には亜麻を材料としたリノリウムを用い、壁と天井、什器には木毛セメント板を用いた。
どちらも天然材料であり、環境に与える負荷は小さい。
木毛セメント板は、木材を薄くひも状に削り、セメントを混ぜ、板状に圧縮成型した準不燃材である。
加工しやすく、軽量で断熱性・吸音性などに優れている。この素材を駆使して、壁・天井・什器を構成した。
壁面には600mm程度の厚みを持たせ、それをくり貫くようにして、服を掛けるスペースをつくった。
また、柱などにも「くり貫き」のディスプレイのスペースがある。
柱と天井の接合部分は、照明の効果で曖昧になるようにしたことで、柱が天井をサポートしているように見えないようにした。